福岡市T邸・外壁

陰影感のある『銀黒』の外壁

陰影感のある『銀黒』の外壁

外壁の素材はガルバリウム鋼板、色は『銀黒』にしました。この『銀黒』という色、光の当たり方や天候などによって明るめのグレーや銀色っぽく見えたり、濃いめのグレーや黒っぽく見えたりする、変化のある面白い色です。面白い色、というのが楽しみでもありちょっと冒険でもあったのですが、実際に外壁が施工された結果の印象としては、とても良い選択だったと思っています。金属の質感と竪ハゼ葺きという葺き方が持つシャープさを際立たせながらも、黒よりも少しソフトな色味がちょうどよく重なり、この住宅の雰囲気に合っています。あとは、玄関廻りに張る木材の色で建物全体の雰囲気が決まってくるでしょう。全体像が見えてくるのが楽しみになってきました。

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福岡市T邸・棟上げ

棟上げ

上棟式当日の作業の様子。

なかなかブログの更新ができずにいましたが、その間に新しく木造3階建て住宅の新築工事が始まり、5月末には無事上棟式を終えました。一日で一気に1階から3階まで組み上げるのは難しいため、数日前から1・2階部分の組立てを始め、上棟式当日に3階部分の軸組みを組み上げます。棟が斜めに振れていること、屋根の勾配がやや急であること、作業するスペースが限られていることもあって簡単ではない作業でしたが、当日はスピーディーかつ確実に作業を終えていただきました。図面の中に閉じ込められていたものが実際に空間化されると、これまで迷ってきたことが説得力を持って建ち上がってくるので心が躍る反面、ホッとする気持ちもあります。暑い中、朝早くから作業をしていただいた職人のみなさま、本当にご苦労様でした。

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福岡市Z邸・引渡し

引渡し当日

引渡し当日

しばらく現場にかかりきりになっているうちに、とうとう引渡しの日になってしまいました。先週には完了検査をはじめ各種の検査を終え、オープンハウスや竣工写真の撮影といった行事の合い間に、最終的な補修・修正工事をお願いし、無事に昨日お施主さまへと引渡しを行なうことができました。これからもメンテナンス等でお付き合いはさせていただきますが、実際にいざ手から離れるとなると、子どもが独り立ちするときのような(?)すこしの淋しさも覚えます。今にして思うと、早かったような、長かったような不思議な感じですが、建物の建設に関わってくださった工事関係者のみなさま、無理な注文に辛抱強くつきあっていただきほんとうにありがとうございました。これから、この家を舞台として、お施主さんのご家族みなさんが楽しく暮らしていかれることを願っています。

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福岡市Z邸・足場解体

南側の外観

南側の外観

これまで外周を覆っていた足場がすっかり撤去されて、近所からもその外観が伺えるようになりました。もとをただせば、大学時代の恩師の退官記念にいただいたお気に入りのHoltzブランドのペーパーウェイト「IEKURO」の独特の質感と端正な佇まいを毎日机上に眺めており、この小さなプロダクト製品のどこに魅かれているのだろうという問いが常々頭の片隅につきまとっていました。街の中に埋もれてしまうのではなく、かといって自己主張をし過ぎて景観に混乱を引き起こすわけでもなく、あわよくば周辺環境とは変化が感じられるような存在になったらいいなと設計をしている最中は漠然と思っていました。この家に住む家族、とくに子供たちや、街ゆく人々の記憶の一部となるような都市景観になるといいですし、時間をかけて見守っていきたいです。

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遊具づくり

でき上がったばかりの遊具

でき上がったばかりの遊具

子どもが通っている幼稚園の裏山の森の中に、平均台を組み合わせたような遊具をつくりました。現地でのデザインの確認からはじまり、2ヶ月弱の間で丸太の手配、ボルト・ナットなどの金物や工具などを用意し、先週の土曜日に校長先生、教頭先生をはじめ、総勢15名のお父さん方と終日かけて作業を行ないました。木々の間を縫うように子どもたちが行ったり来たりできたり、森の斜面を利用して上ったり下ったり、あるいはぐるぐるとエンドレスに回れるようにと工夫したので、素人が行なう作業としては施工的にすこし難しいところもありましたが、お父さんたちのいろいろな得意技能も垣間見れ、まぁまぁの出来栄えに仕上がったのでないかと思っています。参加されたみなさま、ほんとうにお疲れさまでした。今日はすこしだけ筋肉がこわっています。

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福岡市Z邸・吹抜け

リビングの吹抜け

リビングの吹抜け

今回の設計では建物の中央に吹抜けをつくり、外壁と吹抜けの関係を、平面的にも断面的にも“入れ子”状にしています。これまでは2階のレベルに現場作業用として仮設の床が張られていたのですが、とうとうその床が撤去され、中央の吹抜けが空間として感じられるようになりました。吹抜けを形づくる2層分の壁のアチコチには大小いくつかの開口が開けられています。上部のトップライトから取り込んだ光はリビングを明るく照らし、その光がさらにこれらの開口を通過して周囲の各部屋に広がっていきます。また、吹抜けの周囲に配置された各部屋からは、吹抜け越しにお互いの部屋の様子がこれらの開口を通して見聞きできるので、扉の開閉一つででオン⇔オフになる感じとはすこしだけ異なる家族同士の距離感がつくられています。

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福岡市Z邸・細かな納まり

窓枠をできるだけスッキリと

窓枠をできるだけスッキリと

しばらくブログから離れている間に、サッシがつき、ガラスが入り、内部の壁下地や造作ができあがりつつあります。今回の住宅では窓廻りをできるだけスッキリとみせようと思い、窓枠を和室の落し掛けや袖壁に用いられる“ハッカケ(刃掛け、刃欠け)”という納まりにして、見付け部分を薄くしています。上枠や縦枠は省略しているのですが、さすがに下枠だけは省略しきれずに、工務店さんには細かい作業に付き合ってもらっています。お施主さんからの希望という訳ではないのですが、軽やかで凛とした空間表現を目指して、1つ1つの細かな納まりにまでこだわりながら、最終的にはできるだけスキのない空間にまとまるといいなと思っています。

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小浜温泉で一日。

雲仙・普賢岳と(旧)大野木場小学校

雲仙・普賢岳と(旧)大野木場小学校

先週の初めに、非常勤講師でお世話になっている福岡デザイン専門学校の生徒たちと、小浜の刈水庵へ城谷耕生さんを訪ね、1週間のワークショップにほんの最初だけ参加。生徒たちが初日のレクチャーを受けている間に、同行していた常勤の先生と雲仙まで足を延ばし、25年前の普賢岳の噴火と火砕流の現場を見学しました。「もう、あの災害からそんなに経ったの…。」という時間の流れの速さを思う一方で、現場ではいまだに砂防ダムの建設が進められており、当時の出来事はいまだに日常生活の中で続いているんだなと感じます。福岡に戻ってきた9/27は御嶽山の噴火からちょうど2年にあたるとのこと、あらためて自然と人間、建築との関わり方について考えさせられました。

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福岡市Z邸・中間検査が済んで

2階の室内の様子

2階の室内の様子

8月の末に、役所と住宅瑕疵担保責任保険の中間検査、構造事務所の検査を無事に終了し、外装下地から内装下地へと現場が進んできました。敷地が準防火地域内であるため、防火設備の設置が義務付けられており、開口部にはビル用のサッシを採用しています。コスト的な点や納まりなどを短い工期の中で検討してきたのですが、今週には大きなサッシを除いて現場に届くことになりました。室内にも間柱が建てられて、抽象的な図面だった間取りが3次元の空間として建ち上がってきています。内装下地が終わる前に設備の配管や配線を済ませなくてはいけないので、定例時の協議内容は多方面にわたりますが、担当の方々に協力してもらいながら、いよいよ正念場を迎えつつある感じです。

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福岡市Z邸・外廻りが形になってきました。

外部の下地(構造部分)ができました。

外部の下地(構造部分)ができました。

外壁の下地(構造用面材)が張られて、建物の形がハッキリと分かるようになりました。通常であれば桁と桁を繋ぐ梁を小屋組の下に入れ、筋交いで軸組を固めていきます。この現場では柱の座屈を防ぐため、または垂木の長さを6m以内におさめるため以外の梁は省略し、筋交いは入れずに外壁を構造用面材を用いて固めていくことで強度を保っています。外壁の下地は、構造上の耐力性、防火性能、調節作用などを考慮して選定しました。接合部の金物も取付けが終わっていますので、来週にはいよいよ役所の中間検査と構造事務所の検査を受ける予定です。無事に検査にパスするように、明日は接合部の金物の最終チェックを行ないます。

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