水府の住宅
Completion in 2004 / 
Wagu Hitachi-Ota Ibaragi, 
JAPAN
設計期間 2003.5~2004.4
工事期間 2004.5~2004.12
 
 
構造設計 
野口豊高建築構造設計
施工
㈱関根工務店
設備 ㈲新興設備
電気 根本電興㈱
 
主体構造 鉄骨造 
基礎 独立基礎 
地上1階 
軒高 3.890m 
最高高さ 5.000m 
敷地面積 2419.89㎡ 
建築面積 167.04㎡
延床面積 152.28㎡
 
 
BA
 
 
茨城県北部の山あいに建つ、鉄骨造平屋建ての専用住宅。田畑や自然の林、庭の植え込みなどを間に挟み、周辺の住宅はお互い適度な距離を保ちながら点在している。都市の密集した居住環境とは異なり、周辺からの制約がほとんどない状況で、プロジェクト独自の設計上のルール作りが求められた。建物を広大なランドスケープの延長と位置づけ、室内外を1枚の外壁で単純に仕切ってしまうのではなく、6コの異なった形状のボックスを、凸凹をつくりながらCTスキャンのように層状に配置する。外部のテラスや周囲の自然を室内へと一体的に取り込み、生活空間の中にあらたな行為を行なうきっかけをゆるやかに構築することで、さまざまなシーンがつくり出せないかと考えている。トンネル状に建物の向こうまで見通せる玄関は、夫婦と子ども3人が暮らすこの住宅のエクストラスペースでもあり、子どもの成長にともなったスペースの増減に対応できるように計画している。
 
01. Axis 
02. Volume 
03. Sunlight 
04. Path 
 
05. Node 
06. Exterior 
07. Zone 
08. Segment 
 
BOX-PLATFORM-SCREENといった、家具を構成する3つの基本形態を、空間を規定する3つのエレメントとして応用している。これらの3つのエレメントを、生活のシーンを誘導するように効果的に配置し、空っぽな状況の中にゆるやかに場所性を刻み込むことが模索された。
 
JAPAN
Housing Area Ratio:32.5%
Density:25per./pitch 
SUIFU
Housing Area Ratio:27.4%
Density:6per./pitch 
TOKYO
Housing Area Ratio:100.0%
Density:398per./pitch 
FUKUOKA
Housing Area Ratio:66.5%
Density:172per./pitch 
 
住宅の密集度を表すダイアグラム。サッカーのピッチに2チームの選手22人+審判3人の計25人がいる状態を日本の平均とすると、水府にはわずかに 6人の選手がいるに過ぎない。東京は398人もの選手がピッチの中に溢れ、地方都市の福岡でも172人の選手がいることになる。
 
A
 
B
広大な敷地の中に並ぶ、コンセプトの異なる6層の空間。閉じた箱と開かれた箱もしくはオープンスペースが交互に繰り返され、それぞれの空間が有機的に関連付けられている。
 
 
 1. アプローチ / approach   
2. 玄関 / entrance   
3. 応接室 / meeting corner   
4. 収納 / storage   
5. 前室 / preparation
6. 和室 / tatami room 
7. トイレ / toilet 
8. 食品庫 / food storage 
9. 厨房 / kitchen 
10. 食事室 / dining room
11. 居間 / living room 
12. ワークスペース / workspace 
13. 寝室 / bedroom 
14. 洗面コーナー / wash corner 
15. 脱衣室 / dressing room
16. 浴室 / bathroom
17. テラス / terrace 
18. 機械室 / machine space
 
 
6
 
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和室-テラス-居間-テラス-寝室と連続する南側の構成。距離感を保ちながらも開放的な関係性でつながっている。
壁全面の窓ガラスやハイサイドライト、縦長のスリット窓などさまざまな 形態の開口部を通して、光や風、庭の景色が室内に流れ込む。
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撮影:冨澤公一
BA
 
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